バック事故防止の指導方法
~ 新入社員編 車庫入れ時の誘導方法と安全確認 ~
バック時の事故防止等について色々説明してきましたが、今回は駐車が苦手な新入社員向けの駐車方法・誘導方法を説明します。
バック駐車時の車の誘導は、基本をマスターしておけば後は応用で対処できます。
今回は、動画を使って説明しますが、管理者の方が動画で説明する前に下記内容を把握のうえご自身で実施してみるのも一つです。その方が説明しやすいと思いますのでぜひ実施してみてください。
また、バック事故防止を優先するのであれば「原点回帰講習」を実施したのち誘導方法を指導すると効果があがります。
まず、右の動画を見てください。
動画の駐車方法での駐車にかかる時間は約1分30秒以内で完了します。
また、通路側のスペースは5m、動きも最少となります。
参考
█ 衝突部位を見れば原因と指導方法がわかる。
衝突部位から見た分析と指導方法で貨物車用と乗用車用の二種類があります。
なお「バック事故分析&指導ツール」は無償公開ですのでバック事故でお悩みでしたら使ってください。
▼分析が終われば意識度・認識度調査をしてみるのも一つです。
▌「ハンドル操作別 事故分析ツール」Excel版を2021.12公開しましたので参考にしてください。(車種別イラストを入れ替えることで、トラック(基本はトラック画像)、乗用車にも対応しています。)
ハンドル操作と衝突部位から指導点を探る。
講習をする際の設定
幅2.5メートル 奥行き4.8メートルの駐車スペースにプリウスを駐車します。
ただし4つの制約があります。
① 駐車スペースの最先端ラインから通路側に50センチのところに車を誘導する。
~ 受講者の車両感覚が問われます。
② 駐車スペースの安全確認をするため停止する。
~ 駐車場でのバック事故の40%は真後ろ。
③ 切り返しをする。
~ バック時の左右後部角衝突は約30%を占めている。
④ 最終停止位置手前1~2メートル手前で停止し、最終の後方確認をする。
~ 真後ろのバック事故防止のための再確認
の四つです。
講習していて感じるのですが、「車は前を向いて走ります。では、どこを基準に見て走行していますか?」と質問しても答えられない人が多いのです。 これは乗用車に限ったことではなくトラックやバスのドライバーにも言えることです。この感覚をつかめば細街路の走行や右左折時の基準となります。
まず、理解させるために下記の写真のようにして体験させてください。また、車両感覚がつかめない人であれば、シールを貼ったまま車を運転させるといいでしょう。
①ラインに沿わせて駐車させてください。
②ラインから50cmの位置に車を誘導
①-2 日頃の運転姿勢で、ラインが見える位置にシールを貼る。
②-2 ラインと重なる位置にシールを貼る。
動画に沿って説明します。
★「バック事故」実技講習ノートを使用し、記録させれば、受講者のウイークポイントがよくわかります。
バック駐車は、目標を定めてポイント・ポイントでの安全確認と操作を行えば楽に事故なく駐車ができます。
右の動画は目標とポイント場所を見失ったバック駐車動画です。
(スーパーの駐車場で偶々遭遇したドラレコの映像です。タイヤの動きもよく見てください。)
駐車スペースの安全確認は必ず実施させてください。ほとんどの人が動きながらの確認をしています。安全確認は停まっての確認が一番です。
スムーズに駐車するためには、これが原点です。
ただし、車種、ドライバーの運転姿勢、ポジションや座高によって変わりますので、その人に合ったポイントを見つけてあげてください。
運転姿勢を変えずに左を見て、駐車スペースのラインが見える左ドア位置にシールを貼る。
~ これ以降のバックで左に寄りすぎる場合は、シールを少し前に貼ってください。
★ 駐車スペースの安全確認のホローができる。
この方法ですと、ポイント①を忘れてもピーラーなどの死角で100%ではありませんが、ある程度、駐車スペース状況をは握することができます。
❶ 左サイドミラーを一杯まで下げてください。
❷ 右に一杯ハンドルを切る。
❸ ハンドルを切った状態で、左右の安全確認をしながら微速しながら左ミラーを確認してください。
❶ 左サイドミラーに、駐車スペース仕切り線 T が映り込んだら停止。
❷ 停止したら左にハンドルを一杯まで切ります。
★駐車車両を基準にすると、スペース内の駐車位置がバラバラなため誤差がでます。それであれば駐車スペース仕切り線を目標にした方が楽に駐車出来ます。
▼参考資料~「駐車」が得意な人は「車室(とめたい駐車スペース)の線」を目印に駐車
クルマをとめる際に目印にしているものは、「車室(とめたい駐車スペース)の線」が67%で最も多くなり、次いで「隣のクルマ」21%、「モニター映像」10%でした。
駐車が得意な人と苦手な人を比較すると、得意な人は「車室(とめたい駐車スペース)の線」を目印にしている割合が10ポイントほど高くなっています。
駐車が苦手な人は、「モニター映像」を目印に駐車する人の割合が、得意な人よりも高い傾向にありました。
❶ 左にハンドルを切った状態で、前方、左右後方の安全確認をしながら微速しながら車体が1/3程度入った状態で停止
❷ 切り返しをして車両を駐車スペースの中央に誘導する。
~ 切り返して車を中央に!ハンドルを切らずに真っ直ぐバックすれば左右の安全確認が省略できます。
★検証では一回でスペースに収まりますが、切り返し指導してください。無理が左右後部の衝突につながります。
バックする際は、一気に停止位置までバックせず、停止位置手前1~2m手前で停止し、再度後方の安全確認をして、微速で停止位置までバックしてください。
▌指導時には、必ず安全確認させた後バックさせてください。
「 鉄は熱いうちに打て.」ということわざもあります。習慣化させないとバック事故は減少しません。「車は急に止まらない。」ことを意識づけるためにも下記のツールを事前に使って指導してください。
▌実技指導前に使う意識付けツール
原点回帰講習用「反応時間測定&停止距離計算」ツールを使って「車は急に止まらない。」ことを意識付けできます。(バック、追突、交差点事故等…)
・・・事前検証と実技体験で効果のある意識付けを・・・
~ PC、スマホで反応時間測定と停止距離計算が一画面でできます。~
◆支援チームより
バック駐車も基本があってこそ応用ができます。新入社員の事故が多いという話をよく聞きますが、まず、運転(ドライバー自身)とは? 車とは? を「原点回帰講習」で理解したのちに誘導方法を指導する方が交通事故防止には効果的な指導となります。
今回の動画を参考にしていただいて指導してください。
▼受講者の感想 駐車の仕方は一番ミスの少ないやり方を教スていただいたので、現在、駐車の際には教習所でならったやり方で極力行っています。 |
右の動画は、ネッツトヨタ新大阪㈱ 寝屋川店の協力のもとに作成したバック事故防止動画です。
~バック駐車編
解説付きで説明しておりますので、社員指導の参考動画として活用してください。