交通事故対策に悩んだら「原点回帰」の講習を取り入れてください。
業務中の交通事故対策等にあらゆる手を付けたが事故が減らない。等で悩んだ場合は原点に戻った講習を実施してみてください。※参考-「知識のドーナツ化現象」に陥らないために。
その前に、自社の交通事故を分析(「交通事故分析ツール」をお使いください。)して抑止目標の事故形態を抽出し、その原因を考えてみてください。原因究明の参考となるものが下記表です。
◆事故形態■色枠の指導(出会い頭、右折、左折、施設出・入) ◆事故形態■(黄色)色枠の指導(バック) |
★下記内容の指導方法等が分らない場合は「支援チーム」までご連絡をください。管理者・指導者向けおよび社員向けの実技講習を実施しております。講習内容は「原点回帰講習」ページをご覧ください。
■交通事故形態 と 原因 = 指導項目 【動画で見る原点回帰講習】
表は、交通事故形態に対応する事故原因と考えられる項目に◎○△を付け、重点指導ポイントを把握しようとしたものです。
主たる原因に◎を3つまで付け◎の枠には■色を付けました。
また、二次的要因として○△の印を付けています。表を固定概念で見ずに、自社分析での原因が他にある場合はその項目に◎をつけて検討してください。
下記内容は、交通事故防止指導の一つの考え方としてご覧ください。
事故 原因 形態 |
信号標識 規制標示 |
一時 停止 |
安全 確認 |
速度 |
車間 距離 |
合図 |
車両 感覚 |
死角 | 操作 |
出会い頭 | ○ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ||||
右 折 |
△ |
○ | ◎ | ○ | △ | ◎ | ○ | ◎ | △ |
左 折 | △ | ○ | ◎ | ○ | △ | ◎ | ○ | ◎ | △ |
施設出 | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ○ | ◎ | |||
施設入 | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ○ | ◎ | |||
バック | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ◎ | ○ | |||
追 突 | ◎ | ◎ | ◎ | ||||||
発進追突 | ◎ | ◎ | ◎ | △ | ○ | ||||
進路変更 | △ | ◎ | ○ | ○ | ◎ | △ | ◎ |
● ■色のセルについて
事故形態➡ 出会い頭、右折、左折、施設出・入
事故原因➡ 一時停止、安全確認、死角
に主たる事故原因である◎が同一項目に集中しています。
ということは、指導内容が同一、また関連付けて指導することが効果的であることが分ります。
▼「参考動画」
事故は「注意していないから」ではなく、「誤った注意集中」によっても起こるともいわれています。右の動画は幹線道路に進入左折する際右からの車両に意識が集中し、前方・左の安全確認が不十分なために起こったヒヤリハットです。
● ■(黄色)のセルについて
バックの運転行動は、安全確認、死角、速度調整、停止距離、車の誘導、車両感覚、内輪差、外輪差など、運転の基本動作が集約されていますので、バック事故を起こす人の指導は、上の二つ「安全確認」&「速度」と「停止」の関係を座学講習・実技講習した後に車庫入れ方法等の指導すると効果的です。
原因項目で、全てに◎○△が入っているのは安全確認と速度となっています。
ということは、指導の基本ということになります。
速度が速くなると、視力が低下し視野も狭くなり危険の発見の遅れ、見落とし・見誤りなどが起こります。また、停止距離も長くなります。
交通事故の原因を考えた場合、また、交通事故発生報告書の内容を分析しても下記表の事故原因が重複・複合して発生していることがわかります。
事故 原因 |
信号 標識 無視 |
一時 停止 |
安全 確認 |
速度 |
車間 距離 |
合図 |
車両 感覚 |
死角 | 操作 |
×
事故 形態 |
出会 い頭 |
右折 |
左折 |
施設出 |
施設入 |
バック |
追突 |
発進 追突 |
進路 変更 |
上記表から見た参考動画
加速車線から一気に追い越し車線へ車線変更
・車線変更車両の推定速度 60Km/hから80Km/hへ加速
・追い越し車線の車両は100Km/h前後
・この状態で事故になれば、
≫車線変更車両➡ 追突された。
≫追い越し車線車両➡ 割り込まれた。
~ 合図、死角、安全確認、速度、予測等のKYT動画 ~
バックカメラが捉えた危険な車線変更
内容は、上の動画と同種内容です。
一歩間違えば大事故!
・安全確認に基づいた状況判断が大きな要素を占めます。
≫ 軽四輪、トラックの立場からKYT動画として検討するのも効果があります。
この、重複・複合して発生する原因=ドライバーのエラーということになり、ドライバーは、エラーについて
「知っているが、理解していない。」「理解していないから行動できない。」
ことが大きな要因となっています。
車の運転は、ドライバーの認知・判断によりハンドル・アクセル・ブレーキを操作していることと、交通事故原因の85%は、認知ミスと判断ミスによって発生しています。
このことは、交通事故発生報告書を見れば明らかで、ドライバーが事前に危険物を認知して行動しているか?また、自分が運転する車の車両特性を理解し行動しているか?で、結果は変わります。
では、事故原因=防止の基本である「安全確認」をどのように指導するか?
「安全確認」は、事故を起こさないために、「見えてなかったもの(危険)を見る」「動きを見て予測」するための行動です。
しかしその前に、ドライバー自身が最低限知っておかなくてはならないことがあります。
それは、自分自身と運転する車です。
自分が運転する車を知る。 | 自身の車両感覚はあてにならない。 | 車は急に止まらない。 |
ことを理解してもらう原点回帰講習が必要であり、原点が理解できれば安全確認の必要性も理解できます。
なぜ一時停止場所で止まることが必要か? 下の動画を検討材料にしてください。
一時停止無視単車とトラックの出会い頭事故
単車が一時停止しなかった...道路幅の錯覚では?
原点回帰講習は、交通事故を起こさないための「安全確認」、「車両感覚」と「速度による危険性」について理解してもらうための基本的な実技講習です。
▼ 自分が運転する車を知る
≫ 自分が運転する車の車長・車幅を知っておく。
知ることで基準ができる。→ 車庫入れや狭路通行等
→ ほとんどの人がまともに答えられません。
≫ 死角の存在と距離を把握しておく。
死角(前後左右)と死角距離が分かれば基準ができ車を誘導しやすく、また事前に障害物等の安全確認をするようになります。
▼ 自身の車両感覚はあてにならない
≫ 基本的なこと、例えば、ラインにタイヤを乗せられない。
車幅感覚がつかめていないため、狭路で電柱に擦ったりする。
動きながらミラーで左側端間隔を把握しようとして、前方を疎かにする。
≫ 前後のパイロンに車両前部・後部を合わせられない。
死角の存在と自身が思う車両感覚はあてにならないため、「止まる、確認する」「見えなくなる死角を事前に見る」ことの意味が理解できます。
▼ 車は急に止まらない
≫ 人が歩く速度,5Km/h前後はすぐ止まると思っている人がほとんどで、
反応時間=空走時間=空走距離はないと感じています。
5km/hの停止距離→ 1m前後→ ほとんどが空走距離
「車は急に止まらない」ことを知れば、車間距離の必要性と信号機のない交差点での二段階停止の意味が理解できます。
▼反応時間測定と停止距離計算
▼スマホ操作時の反応時間測定と停止距離計算
≫(追加)停車時の車間距離
低速時の停止距離体験をした機会に信号待ち等停車時の前車との車間距離を実測してみてください。
死角距離との関係、前車(バックミラー)から見て威圧を与えていないか? → 前記停止距離等から発進追突防止の指導になります。
➡ ➡ ➡ ➡ ➡
☆前車の立場になれば考え方も変わります。
☆空走距離の確保と左右への回避
▼ 原点回帰講習の指導順番
①~④の順で実施すれば安全確認の必要性の理解度が高まります。
事故 原因 |
信号 標識 無視 |
一時 停止 |
安全 確認 |
速度 |
車間 距離 |
合図 |
車両 感覚 |
死角 | 操作 |
↓ | ▼ | ▼ | ▼ | ▼ | |||||
原点 回帰 講習 |
|
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ |
低速時 停止 距離 体験 |
停車時 前車との車間距離体験 |
車両 感覚 と 認識の ずれ 体験 |
自車の 認識 + 死角 体験 |
|||
実施順 |
↓ | ③ | ④ | ② | ① | ||||
▼ ▼ ▼ |
|||||||||
①②③④により安全確認の必要性を理解させる |
原点回帰講習ノート
「原点回帰講習ノート」ダウロード
下記ノートは、「原点回帰講習」以外の実技講習を依頼された企業様用のノートです。
講習後、お渡ししたパスワードでダウンロードできます。
パスワードを忘れた場合、支援チームまでご連絡ください。
▼ 車は急に止まらない! ことを、まず理解させる必要があります。
人の車に対するイメージは、右の表のとおり「車の利便性」で、「危険」を感じる人は4.6%しかいません。
また「止」「停」という漢字はイメージにはありません。
車の主たる目的は、移動時間の短縮と物・者を運ぶために利用されます。しかし、車は停止してこそ、すなわち、止➡走➡止 ことで本来の目的が完了するのではないでしょうか?
また、危険を回避するためには止まることが大きな要素となります。
この、止まる。停まる。というイメージと、必要性を実技講習を通じて理解させることが重要です。
▼速度についての指導
≫表を見てください。速度10km以下の事故が約40%占めています。
交通事故の危険認知速度(交通事故直前の速度)の統計によりますと、徐行の速度である10km/h以下が約40%占めています。
なぜでしょうか?
ドライバーは、10km/h以下の徐行速度は、「すぐ止まる。」というイメージを持っているからです。
現実は、人の歩く速度5km前後の速度であっても停止距離は存在し、そのほとんどが空走(認知・判断)距離(時間)なのです。
● 原点回帰講習用「反応時間測定&停止距離計算」を公開していますので、実技講習前や座学指導時にお使いください。
参考動画 「原点回帰講習」の発進時の急制動
20歳代男性 反応時間(指操作) 0.61秒
≫ 時速6km/h 計算上の停止距離 1.22m
(空走距離 1.02m + 制動距離 0.2m)
◆ 体験講習 時速6km/h での停止距離は、
≫ 踏み替え時➡ 1.10m
≫ 構え 時➡ 0.85m
この低速時の停止距離(空走距離+制動距離)を体験講習で「車は急に止まらない」ことを理解できれば、速い速度の危険性も理解できると思います。
また、交差点事故防止講習時での理解度(二段階停止等の必要性)が高まります。
➡ 体験型指導内容は、★追突しないための体験型指導方法①②③をご覧ください。
▼ 参考動画 (ドライブレコダー撮影映像) |
○JAFが運営する「JAFセーフティシアター」やJAF MATE社「ドラドラ動画」に車は急に止まらない関連動画があります。
▼「安全確認」を「停まる。確認する。」という意識に切り替えてもらう必要があります。
辞書では、「危険なところがないか目で見て判断すること」ですが、自動車運転時の究極
の目的は、「交通事故を起こさないための根拠・担保」が安全確認ということになります。
交通事故報告書に「安全確認をしたが当たりました。」では、安全確認とは言えず、’’ただ
見ただけ”ということになります。
◆事故形態■色枠の指導(出会い頭、右折、左折、施設出・入)
出会い頭、右折、左折、施設出入の事故が発生する場所は、車と人、道路が複雑に交わる場所です。
この場所で事故を起こさないための重要ポイントは、安全確認が一番ですが、安全確認を確実に行うためには減速また一時停止が重要になります。
この種の事故を起こした人は、「安全の確認はしたが、自転車が飛び出して来た・・・」等との弁解を多く聞きます。
しかし、確実な安全確認方法は、停止しての安全確認がベストなのです。
すなわち、「安全確認」を「停まる。確認する。」という意識に切り替えてもらわないと、この種の事故は減りません。➤「動画で見る原点回帰講習」
またイラスト・写真のとおりドライバーが運転する車の死角と、建物等の死角を知る必要があります。
車を運転していると、すべてのものが見えているような錯覚に陥ります。
しかし、現実は車の死角や建物・他車等の死角が存在し、死角にある危険を知るためにはドライバーの安全確認が必要不可欠で、確実な安全確認をするためには減速また停まっての確認が必要となります。すなわち「停まる。確認する。」を体験講習を通じて理解させればこの種の事故は減少することでしょう。
また、交通事故を考えた場合、相手方が車や人の場合 どちらかのドライバーや人が、回避行動をとれば、防げる交通事故も多いということを忘れてはなりません。そのためには、見せる停止を意識して実践する必要があります。
参考動画 一時停止標識のない細街路交差点
◆ 右のの動画を見て、どのように指導しますか?
言葉で、二段階停止! 止まって、安全確認!
と言うのは簡単ですが、その本質を理解してなければ実践は難しいでしょう。日頃の運転で頻繁に事故を起こしていないのですから 「たまたま!」 「運が悪かった!」 と思ってしまうのです。
参考動画
◆ 右の動画は、一時停止規制・カーブミラーが無い細街路交差点の車の通行状態を撮影したものです。
下の関係法令内容と併せて考えてみてください。
細街路交差点等の通行に関する関係法令
▼道路交通法 第三十六条(交差点における他の車両等との関係等)
4 車両等は、交差点に入ろうとし、及び交差点内を通行するときは、当該交差点の状況に応じ、交差道路を通行する車両等、反対方向から進行してきて右折する車両等及び当該交差点又はその直近で道路を横断する歩行者に特に注意し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない。
▼道路交通法第四十二条(徐行すべき場所)
車両等は、道路標識等により徐行すべきことが指定されている道路の部分を通行する場合及び次に掲げるその他の場合においては、徐行しなければならない。
一 左右の見とおしがきかない交差点に入ろうとし、又は交差点内で左右の見とおしがきかない部分を通行しようとするとき(当該交差点において交通整理が行なわれている場合及び優先道路を通行している場合を除く。)。
◆徐行とは、自動車がすぐに停止できるような速度で進行すること。
ブレーキを操作してからおおむね1メートル以内で止まれるような速度のことをいい、時速10km以下だとされています。
▼ 事故形態■(黄色)色枠バック事故の指導
交通事故の相手方が車や人の場合、どちらかのドライバー等が回避行動をとれば、防げる交通事故も多いのですが、
●駐車車両や工作物への衝突は、
≫ 意思がないので回避してくれない。
≫ 回避できるのは、ドライバーのみ。
≫ 原因は全てドライバーにある。
ということになります。
バック事故を無くすには、原因であるドライバー自身が、車の特性等を理解したうえで
停まる。 確認する。 やり直す。
意識をもって実践すれば回避できます。
█ 衝突部位を見れば原因と指導方法がわかる。
衝突部位から見た分析と指導方法で貨物車用と乗用車用の二種類があります。
なお「バック事故分析&指導ツール」は無償公開ですのでバック事故でお悩みでしたら使ってください。
関連項目 > 【動画で見る原点回帰講習】 ≫ バック事故防止講習の必要性Ⅱ(安全確認の第一歩は、停まる。) ▶バック事故対策 意識度・認識度調査 ~ 質疑・回答、集計・結果➠Excel仕様ツールあり~ new ≫ バック事故防止の指導方法~ 切り返しと安全確認がバック事故防止の決め手 ~(動画あり) |
■バック事故の指導
バックの運転行動は、右の図のように
安全確認、死角、速度調整、停止距離、車の誘導、車両感覚、内輪差、外輪差など、運転行動のほとんど集約されたものです。
バック時の指導は、低速がゆえに車の誘導方法の中に安全確認を入れての指導が先行しますが、本来は上記にある速度、死角、安全確認の内容と車両感覚の講習(原点回帰講習)をした後に、車の誘導方法を指導すべきではないでしょうか。?
指導方法は、
≫「バック事故」実技講習ノート指導マニュアル
≫「バック事故」実技講習ノート指導マニュアルno2
(事故多発者、新任者用、対策を含む)
の二種類で指導方法を掲載しておりますが、同マニュアルをダウンロードするためには、恐れいりますが、
≫「バック事故防止講習ノート」を10冊以上購入
されるか、
≫当方の「バック事故防止講習」を依頼され実施した。
企業様に内容を確認できるパスワードをお渡ししております。
上記内容についての質疑や他の指導方法等の質問がありましたら「安全運転管理支援チーム」までご連絡ください。 【「原点回帰講習」カリキュラムを見てみる】
交通事故を未然に防ぐ | ||
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