守る 信号交差点
信号交差点 直進時&発進時
信号交差点
直進時-発進時 事故
一般道を走行すれば、必ず交差点に遭遇します。
では、道路交通法での交差点とは、道路交通法第1章第2条5項で、交差点を【2本以上の道路が交わっている場所】と定義し、その他丁字路や何本もの道路が交わっている場所、信号機のない場所も交差点に該当します。
【一般道&交差点】での項目では、信号交差点の走行時の注意点について説明します。
交差点の通行方法は【直進】【左折】【右折】ですが、信号交差点では信号機の灯火色に従うことが絶対条件です。
一般道を走行していると必ず信号交差点に遭遇します。
この信号交差点の事故は、どれぐらい発生しているのか?
参考になるデータがイタルダ・インフォメーションNo95「信号交差点における右折事故」に掲載されてあります。
その内容は、右のグラフのとおりで信号交差点は全事故の16%を占めています。
上記、信号交差点での事故発生率は直進時は二番目に多く、直進時事故が32,256件、うち信号無視が16,515件(51%)と半数以上が信号無視によるものです。
トライバーは、信号無視をしたくない。切符を切られたくない。と当然考えていますが、では、なぜ信号無視をしてしまうのでしょうか?
その中でも黄色信号時、ドライバーの判断によるものが大きいと考えられます。
2015/3/1(日)19:00 マイナビ学生の窓口より
渡る手前で信号が黄色に......。そのとき踏むのは?
●ブレーキ 257人(60.9%)
●アクセル 165人(39.1%)
とブレーキを踏む人が60%以上いることです。
以前、私どもが作成した上のYouTuber動画【信号無視を考える】を見てください。
動画は、信号無視4形態‥【故意の信号無視】【一点集中による信号無視】【思い込みによる信号無視】【黄色信号点灯時の判断誤りによる信号無視】で、KYT検討は「信号交差点直進時の信号無視による人身事故割合」等を含め黄色点灯時の判断と対応」について解説しています。
ドライバーの意識に中に黄色信号は、いつも「注意して進行する」ことができると自分勝手に判断してしまう傾向があります。
それは、ただし書き部分のみを自分勝手に判断し行動しているからです。
「止まれ」が正解で黄信号の意味は、
原則≫ 赤信号と同様に、停止位置(停止線)で「止まれ」
例外≫ ただし、安全に停止位置で停止できないときにのみ、そのまま進むことができる。
この部分の判断を迷う領域が【ストレスゾーン】といわれています。
道路交通法施行令(信号の意味等)第2条
二 黄色の灯火について
「車両及び路面電車(以下この表において「車両等」という。)は、停止位置をこえて進行してはならないこと。ただし、黄色の灯火の信号が表示された時において当該停止位置に近接しているため安全に停止することができない場合を除く。」
▲設置基準、制御システム等詳しく説明してあります。
信号機は制御の方式により単独(その交差点のみ)で動作するものと、同一路線近接の交差点の制御器と連動して動作するものとがあります。
制御の内容は、下記内容のとおりですが、どの場所でどの制御されているかはわかりません。が、幹線道路はほとんど制御されていると考えてください。
▼信号機の制御内容
①系統制御
交差点を通過した車が一定の速度で走行すれば、その先の交差点も青信号で通過できるようにするというシステムです。
②高速反応制御
高速反応制御は、スピードを出しすぎている車両を感知し次の交差点を赤信号にすることで、その車のスピードを強制的に落とし法定速度を遵守させる制御方法です。
③右折感応制御
右折感応制御は、交差点で右折待ちの車が多くなると、交差点の手前で渋滞が発生し、直進する車が必要以上に待たされることがあります。これを解決するため、右折感応制御システムが存在し、右折専用レーンの車両を車両感知器で検出することで、車の台数に応じて右折信号の時間を調整しています。
④ジレンマ反応制御
ジレンマ反応制御は、運転していると、信号機を通過する直前に信号が変わり停止するか進むか判断に迷うときがあります。赤信号に対して停止線を通過することも、安全に停止することもできない危険領域は「ジレンマゾーン」と呼ばれています。このジレンマゾーンでの判断の迷いを回避することを目的に、黄信号の表示タイミングを調整するのがジレンマ反応制御です。
⑤緊急車両優先システム
緊急車両優先システムとは、パトカーなどの緊急車両が信号機を通行する際に、それらの緊急車両が進む先で青信号を長く表示させる法則です。
⑥バス感応制御システム
バス感応制御システムは、バスの定時運行を確保するために行っており、交差点の手前でバスを専用の車両感知器や光ビーコンを発することで、青信号の時間を調整します。
等信号機は制御されていること意識すれば、無理をして速度を上げる必要はないのです。
日頃、走っているコースを一定速度で走ってみてください。制御されていることが理解出来ます。
▼信号無視で交通事故を起こすと、内容によっては危険運転致死傷罪が成立する可能性あり ((社)安全運転推進協会&ウェルネス法律事務所)
危険運転致死傷罪には、殊更(ことさら)無視というのがあります。
殊更(ことさら)無視とは、赤色信号やそれに相当する信号を、赤色信号に従う意思がないまま無視する行為を指します。
具体的には、次のような行為が該当します。
・赤色信号であることを認識しながら停車位置で停止することが可能であるにもかかわらず無視して進行する行為
・信号の規制自体を無視し、赤色信号であるか否かについては一切意に介することなく進行する行為
一方、次のような行為は「殊更無視」に該当しないとしています。
・赤色信号を看過した場合 (看過-あることを目にしていながら、そのままほうっておくこと。見逃すこと。)
・安全に停止することが困難な地点に至って初めて赤色信号に気付いた場合
・信号の変わり際で、赤色信号であることについて未必的な認識しかない場合
赤色信号を殊更(ことさら)無視して人身事故を起こした場合、危険運転致死傷罪が成立する可能性があります。
▼日本損保協会の事故多発交差点でよく起きる3つの事故形態
日本損保協会が出している資料(事故「多発交差点」)では、
1-追突事故(41%) 2-右折事故(25%) 3-左折事故(11%)となっています。(下記グラフ)
では、なぜ追突が多いのでしょう?
★交差点に差し掛かる手前で信号が黄色になったときの対応は、車両のスピードやドライバーの精神状態、運転の経験等によって大きく違います。
ストレスゾーンにさしかかったとき、
1.「今なら!」と思い、交差点手前から加速する。(加速)
2.「いつ信号が変わるかも知れないから・・」と、アクセルを緩める。(減速⇒ブレーキ)
3.「いつでも止まれるように・・」と、ブレーキペダルに足を添える。(ブレーキ⇒急ブレーキ)
などのドライバーに分かれます。
このように三者三様の考え方を持ったドライバーが混在して走るジレンマゾーンでは、「通過するだろう!」等の思い込みは危険で事故につながり、下記の追突に繋がっていると考えられます。
上記、日本損保協会資料のストレスゾーンでのドライバー意識変化はどのようなものか? 企業の事故データから見てみましょう。
私ども支援チームの企業講習では、事前に事故データを見せてもらい、その内容に基づいて講習を実施しています。その中から信号交差点での事故データを掲載し検討してみましょう。
▶右のデータは、運送会社の事故で、全事故の約13%(26件)が信号交差点で発生
・発生内容は、追突7件、発進追突6
件で信号交差点事故の50%を占めています。
▶右の食品会社の信号交差点事故は、17件発生し全事故の約15%となっています。
内容は、発進追突6件、追突5件で信号交差点事故の約65%(11件)を占めている。
▶右の製造会社の信号交差点事故は、26件発生し全事故の約24%となっています。
内容は、発進追突3件、追突15件で信号交差点事故の約70%(18件)を占めている。
特徴として大半がマイカー通勤時の事故です。
上記3つの事業所の事故を見ると、信号交差点での追突事故が50%以上と多発傾向にあります。
▌では、追突事故を起こさない為にはどうすればよいのでしょう?
この項では、発進追突を除く追突について説明します。
追突事例(上記運送会社の分析表の発生内容から抜粋)
●前車が停止した事に気が付き止ろうとしたが、間に合わず追突する。追突した車両が押され更に前にいた車両に追突した(車間距離狭い)
●直線道路を走行中、反対側車線よりクラクションの音がした為、一瞬脇見をしてしまい、前方に赤信号にて停止していた相手方車両に気づくのが遅れブレーキを踏むも間に合わず追突した。(脇見)
●交差点手前で2台前の車両が左折停止。1台前も停止に入ったが、当方車両が車間を詰めていたため、ブレーキが間に合わず追突し、2台の車両にも玉突きした(車間距離狭い)
追突事例(上記製造会社の分析表の発生内容から抜粋)
●見通しのいい直線道路走行中に ものを取ろうとした目線をそらした後前を見たら 前車が交通状況により停車し それに気づくのが遅れ、急ブレーキをかけたが間に合わず追突した。 (脇見、車間距離狭い)
●センター前信号手前で前方車両が渋滞で減速したところに 自車が前方不注意のため後方から追突した。 助手席にあるものをとろうとして前方から目をそらせてしまったため前車の減速に気づくのが遅れた。(脇見、信号無視?)
●交差点手前で、信号が赤に変わった事に気づかず、前走車に追突した。(漫然運転、信号無視)
追突事例(上記食品会社の分析表の発生内容から抜粋)
●道路を時速約30Kmで前車に追従して走行中、ボールペンを落としそれを拾おうと前方から目を離した際、前車が信号停止で減速したのに気がつくのが遅れ追突してしまいました。(脇見、車間距離不足)
●渋滞のためのろのろ運転状態の時、脇見をしたため前車が停止したのに気がつかず追突(脇見、車間距離不足)
●前方信号が黄色に変わり前車が停止したが直ぐに対応できず前車に追突したもの(車間距離狭い)
●相手方が信号で停止したところ、車間距離不保持と前方不注意により追突事故を引き起したもの(車間距離狭い)
右、動画は原点回帰講習で実施しています「急制動体験」と「ながらスマホ体験」の動画です。
この動画結果らも分かるように【車は急に止まらない】ことを意識して広めの車間距離をとってください。
参考
講習時受講者を見ていますと、信号待ちで前車との車間距離が狭い人は、走行時も狭い人が多い。
~車は、急に止まらない ! ことを意識することです。
●黄色信号に対する考え方(アンケート結果)
●日本損保のストレスゾーンでのドライバーの考え方
から見ても、前車のドライバーがどのような考え方をもっているか?は分かりません。
であれば、前車ドライバーはブレーキ踏む派と考えて車間距離を広くとってその対応に備えるのがベストではないでしょうか?
信号交差点通過時事故内容(直進時等)
●信号機のある交差点で対向車右折車両にドライバーがわき見運転を行い右折車両に気付くのが遅れ、相手車両の左フロントタイヤ付近に衝突(信号無視?)
●信号待ち停車、相手方感応信号を自身側の信号が青になったと勘違いし、交差点に進入し(信号無視)相手車両の前方と自車左側荷台前方部と接触(信号無視)
●国道を走行中、信号機が赤に変わった事に気が付くのが遅れ右側より交差点に進入して来た軽トラックと衝突(信号無視?)
●帰路途上、交差点通過の際信号の変化に気づくのが遅れ、右折していた対向車へ接触。(信号無視?)
●2車線道路の交差点進入時、右折レーンの大型車のオーバーハングを警戒して若干左へ寄った為に、左車線に左折待機中のワンボックス車の右ドアミラーに接触(側方通過時)
●右折レーンから直進レーンに車線変更する際、停車していた車両に内輪差誤認により接触した(車線変更)
●右折レーン停車中の大型車をかわすため左に車両を寄せたところ、車線からはみ出し左側車線を直進してきた乗用車に接触した(車線変更)
等と、信号無視をしたと思われるものが4件発生しています。
直進時7件中4件が右折車との衝突
▶信号無視したと考えられるものが4件
▶原因は、脇見1件、気づき遅れ2件、勘違い1件、
交差点付近での車線変更2件、左折車の側方通過時1件
で、直進側のドライバーの原因で事故になっています。
~ 交差点を通過時、直進側が意識して信号の灯火色を確認
し、行動しておれば事故に至らなかったと感じます。
発進時の追突事故でいちばん発生しやすいのは、交差点で信号待ちから前車に続いて発進したところ、前車が急停止して追突するというケースです。
前車が急停止する理由としては、「渡り遅れの自転車などが前を横断してきたために停止」「対向右折車が先に右折してきたために停止」「左折しようとした前車が横断歩道を渡ってきた自転車のために停止」などがあります。
▼運送会社信号交差点での発進追突事例(トラック)
●交差点停止時、運転席後ろのタオルを取ろうと左後ろに振り向き前方を向いた際車両が進んでいて慌ててブレーキ踏むも間に合わず追突した。
(脇見、慌て、車間距離が狭い)
●交差点赤信号にて停車後に信号が変わった為動き出すが、先頭車両左折の為に前方車両ブレーキをかけ停車。当方も停まろうとするが、その時にくしゃみが出てしまい、その反動にてアクセルを踏んでしまい前方車両への追突(停車時の措置(サイドブレーキ))
●信号待ち停止中に、配達伝票の整理を行っていた際、フットブレーキの踏込みが甘くなり、徐々に前進している事に気付かず、前にいた乗用車に追突した。(車間距離狭い、甘いブレーキ踏み)
●三叉路交差点で信号待ちの車列に並んで居た所、信号が青に変わり車両が動き出したので前に出た所、前車両の普通乗用車は未だ動いていないのに気づかず追突した。(仮性死角、思い込み、発進時アンダーミラーの確認)
●配達先に向かう為信号待ちをしている際、わき見状態であった為、側方の車輌が動き出し信号が青になったと勘違いをし、発進をしてしまい、前方のバイクに追突(仮性死角、発進時アンダーミラーの確認)
上記発生内容からも分かるように、信号待ち等では車間距離をとることが第一歩です。
右のYouTube動画は、原点回帰講習内の前車との車間距離指導動画です。
参考にしてください。
*私どもが原点回帰講習内にこの内容を入れたのは、あることを体験したからです。
脇道から幹線道路に入る際、大型トラックが私どもの講習車両を入れてくれたのに、バックミラーを見ると、入れてくれたトラックの車間距離が狭く威圧に感じたからです。
~ 譲る。入れる気持ちがあるドライバーが、こんなに狭く車間距離を詰めるのは、高い位置にある運転席から前を見ているからか? 日頃からこれで良いと思っている?かも知れない思い、トラックの講習時に日頃の車間距離を実践してもらい。次に▶前車の乗用車に乗ってもらい。威圧に感じるかの有無を聞き、威圧に感じない距離まで移動してもらいました。(上図)
結果は、私どもの想像どおりで、バラツキはあるものの全体的に狭い状態でした。
その後に、発進時の急制動体験を行うことでより理解が深まりました。
製造会社 発進追突事例(普通乗用車)
・赤信号にて停車し、ブレーキを踏んでいた。 ブレーキの踏みが甘く、クリープ現象にて車両が前方に進み、前方の車両にぶつかってしまった。本人は外の雨が気になって、運転席側の窓を見ていたため、車両が進んでいることに気がつくのが遅れた。(脇見)
・会社からの帰宅途中、交差点の赤信号で停止。 青信号で発進し、前方が流れていると誤認識して脇見してしまい、 視線を前方に戻したところ、交差点赤信号から連なる停止車両の列の最後尾に停止する寸前の前方車両に気付き、 緊急ブレーキを踏んだものの、間に合わず追突。 追突した車両が、その前の車両にも接触。(脇見、多重追突)
・直線道路を直線走行中、前方が渋滞し停車していた。 前方の交通が流れ出していたため、車両が発進するだろうと考えて走行していた。 しかし、前方車両が発進せず、後方より追突したもの(思い込み、車間距離)
食品会社 発進追突事例(軽四輪)
・道路で信号待ちをしておりましたが、前方車が発進しましたので合わせて発進しましたがすぐにつかえて前方車が停車、気づくのが遅く追突してしまいました。(車間距離狭い)
・信号待ちをしていて、前の車が進んだと思ったら、停車していてその車にぶつかりました。住所を確認していた時に目を離してしまいぶつかったもの(脇見)
・信号待ちで携帯の着信確認した。前方車両の発進が視界に入り当方も発進。前方車両が停止したが当方前方不注意のため止まりきれず当方の左ミラーが前方車両の右後部ランプカバーに接触。(意識の脇見、車間距離)
上記発生内容からも分かるように、思い込みや、脇見による追突事故が多く発生しています。信号待ち等では車間距離をとることが第一歩です。
右のYouTube動画は、原点回帰講習内の前車との車間距離指導動画です。
参考にしてください。
次は、 守る 信号交差点 (右折時)