バック事故と車両感覚

~車両感覚と原点回帰講習~


 

 講習場面で受講者からよく聞く言葉が【感覚】です。すなわち車両感覚のことです。

 

 では、ドライバーが感じている車両感覚とは何でしょうか?

 

  車両感覚は、「過去の運転経験に基づく無意識の判断&行動」です。

 

 

▼では、車両感覚の基礎となる【判断】はどうでしょう? 

 判断は「ある対象について何事かを断定する思考作用」で、

 ● 判断のために材料を集める。 ● 判断材料が正しいか否か見極める。

ことが重要なポイントですが、この「車両感覚の判断基準」の真偽や検証がないまま運転しているのが現実ではないでしょうか?


 ▋バック事故と車両感覚との関係

  バック駐車   … 狭い空間の中での運転操作… 

  … 見えているのに見たつもりになっている。

  … 自身の車両感覚は正しいとの過信

  … 人間の能力では無理なのに、低速だからすくに止まる。との思い違い。

 

 等が重なってバック事故が発生しています。


 このことは、

▼下の表「プロドライバーと業務開始前運転者の原点回帰講習の感想比較」を見てください。

 原点回帰講習で死角、車両感覚、停止距離体験の受講感想を掲載していますが、感じている感想内容は同じです。

 

 ▋経験豊かなプロであろうと未熟な初心者であろうと、現実は、車両感覚の検証や見極めがないまま曖昧な運転をしていることが窺われます。

 

 そのためにも業務運転者に対して車両感覚等を検証する機会=「原点回帰講習」を設けることが交通事故防止対策の一歩ではないでしょうか。

 


 

 その手始めが、駐車場でのバック事故防止指導と絡めた実技指導が効果的です。

 この「原点回帰講習」は、あらゆる車種に対応できる講習です。  

 関連項目

 ≫ 交通事故対策に悩んだら「原点回帰」の体験型講習を!(交通事故形態に対応する事故原因と指導の考え方)

 ≫ 原点回帰講習

 ▋管理者・指導者向け原点回帰講習(受講感想等の掲載あり)

 ▼ ⑩-2 貨物車の車両特性による事故と指導方法~ リアーオバハング、内輪差、外輪差 ~ new

 ▼ バック事故対策 意識度・認識度調査 ~ 質疑・回答、集計・結果➠Excel仕様ツールあり~ new

 ▼ バック駐車行動と原点回帰講習 ~ バック駐車時の安全度テストあり

 ≫ バックカメラ(モニター)付車両(乗用車)の指導方法

 ≫ バックカメラ(モニター)付車両(貨物車)の指導方法~ new

 ▼ 「前向き駐車」と「バック駐車」~「前向き駐車」と「バック駐車」の指導方法を考える ~ new 

 ≫ カーブミラーが設置されてある交差点の指導方法

 ≫ 見通しが悪い交差点①「道路幅の錯覚」による出会い頭事故と指導方法

    ≫ 細街路走行 ~ 細街路を安全に走行するために!(乗用車編) ~ 直進・離合・右左折 ~  ~ new

 ≫ ★施設からの出入り事故防止の指導方法 (内輪差、二段階停止、カーブミラーと関連)

 ≫ 見通しが悪い交差点③「二段階停止」の指導方法

 ≫ ㉑-7    ヒヤリハット分析から見た指導方法7(信号のない交差点に指導方法)

 ≫ ③-2 指定一時停止場所の指導方法(KYT動画活用した指導)

 ≫ バック事故防止講習の必要性

 ≫ 交通事故発生報告書の記載例 (安全運転指導の一つとして記載させましょう。)

▌ その他 指導方法等を知りたい方は「管理者支援ページ」をご覧ください。


「ハンドル操作別 事故分析ツール」Excel版を2021.12公開しましたので参考にしてください。(車種別イラストを入れ替えることで、トラック(基本はトラック画像)、乗用車にも対応しています。)

ハンド操作と衝突部位から指導点を探る


▋ 伝えたいことは三点

 

①  見えなくなる死角を事前に見る。

② 「自身の車両感覚は曖昧」ということを

       認める。

③  車は急に止まらない。

 

 

この三点を理解し行動すればバック事故は減少します。

 


 ▋指導の基本は、自身の受講体感から▶支店長受講所感👉click 

 

2019.9 T社 九州支社管内支店長向け原点回帰講習 受講所感から 



バック事故防止指導 4つのポイントを意識させる“わけ”とは、【実技指導テキスト】 実車を使った交通事故防止指導マニュアル~基本を見直す原点回帰講習内の補助動画 実技動画⑦【バック駐車指導】~4つのポイントを取り入れたバック駐車指導(行動指導)に理由・根拠の説明を入れた動画です。 

動画での乗車指導は、原点回帰講習での座学(2動画)及び原点回帰講習実技(7動画)を実施した後での実践同乗指導となります。

▲クリックで動画を視聴できます。



▋「プロドライバーと業務開始前運転者の原点回帰講習の感想比較」

◆死角(感想~ クリックで拡大)

 

見えなくなる死角を事前に見る。という意識が必要です。


◆車両感覚(感想~ クリックで拡大)

 

 自身の車両感覚は曖昧。と認めることが必要です。


◆停止距離(感想~ クリックで拡大)

 

 車は急に止まらない。ことを意識させることが必要です。


参考ツール

原点回帰講習用「反応時間測定&停止距離計算」ツールは、「車は急に止まらない」ことを意識してもらうための指導・教養ツールです。

特徴として、反応時間測定と停止距離計算が一画面で測定と計算ができます。

 

▼下の動画は座学講習時の事前意識付け講習


▼反応時間測定と停止距離計算

▼スマホ操作時の反応時間測定と停止距離計算


 

▶右の動画は原点回帰講習時に実施しています急制動体験と企業から「ながらスマホ」の体験要望がありましたのでスマホ操作をしながらの急制動体験を実施したものです。


▼下の感想は実技講習の感想


▋参考… 原因から見たミスの種類

 

 事故原因から見たドライバーによるミスの場合はどうでしょう?

 

原因から見たミスの種類は、

❶人間の能力では無理なこと ❷判断の錯誤 ❸記憶の失念 ❹能力不足 ❺知識不足 ❻違反行為

と言われています。

 

■車の運転に例えるなら

❶人間の能力では無理なこと

 → 人には反応時間があり車は急に止まらない。自身の車両感覚は曖昧という自覚

 ➤ 追突・バック事故…

❷判断の錯誤

 取り違い、思い違い、考え違いなどの判断の「錯誤」

 → 過信→ 低速なら車はすぐ止まる。自身の車両感覚は正しい。➤追突・バック事故・離合事故…

❸記憶の失念

 し忘れなど、記憶の「失念」

 → バック時の一点集中による他方の見落し。運転中の携帯やスマホ使用による周囲の安全不確認

 ➤バック事故、誤発進による追突、交差点事故…

❹能力不足

 その作業を遂行する能力、技量が不足している「能力不足」

 → 意識しない漫然行動、曖昧な車両感覚 ➤バック事故・構内事故、側方通過事故…

❺知識不足

 すべきことを知らない「知識不足」

 → 見えなくなる死角を事前に見る。バックは真っ直ぐバックが基本。合図は車同士のコミニュケーション。二段階停止や右左折方法の意味…等 ➤安全確認の意味、右左折事故、車線変更…

❻違反行為

 手抜きや怠慢などの「違反」

 → 信号無視、一時不停止等 ➤順法精神の欠落

などが考えられます。

 

 これらのミスは、自身の運転・車両感覚を検証しない曖昧な運転の継続がミス起こす元凶になっているのではないでしょうか?

 

  この車両感覚等の検証を行うには多発するバック事故防止指導と合わせて行えば効果的です。

 なぜなら、バック駐車行動は安全運転の基本動作だからです。 


「ハンドル操作別 事故分析ツール」Excel版を2021.12公開しましたので参考にしてください。(車種別イラストを入れ替えることで、トラック(基本はトラック画像)、乗用車にも対応しています。)

ハンドル操作と衝突部位から指導点を探る。



■バック事故防止の指導

 バックの運転行動は、図のように安全確認、死角、速度調整、停止距離、車の誘導、車両感覚、内輪差、外輪差など、運転行動のほとんど集約されたものです。

 








原点回帰講習等に関するお問合せは、

 大阪香里自動車教習所 安全運転管理支援チーム

       電話 072-831-0668

    大阪府寝屋川市木屋町13-5

 まで、ご連絡ください。