活動事例紹介


アサヒロジ株式会社、同グループが取り組む「愛車運動」

 下記内容は、平成27年6月タカラ物流システム株式会社主催のパトナー会議で発表された、アサヒロジ株式会社のQC活動事例です。

 内容は、フォークリフト(以下「FL」という)の「愛車運動」と本年度から取組み始めた「トラック編「愛車運動」」の概要と取組みポイントになります。

安全運転管理やQC活動の参考としてください。

 

 なお、下記掲載内容は原文のまま掲載し、画像等を含め著作権は「アサヒロジ株式会社」に帰属します。 

 

1 愛車運動 FL編

  ~ 実施前と比較して、事故が30%減少 ~

≫愛車運動の取組におけるポイント①

愛車運動のコンセプトは、『 FLをいわばマイカーと考え、FLがボロボロにならぬよう、皆が知恵と工夫をこらす 』こと。

 

コンセプトに基づく活動の最大の目的は、FLを大切にすることをきっかけに、『 人やモノに優しい運転を定着させ、事故そのものを削減する 』こと。

 

愛車運動は単なる安全性向上にとどまらず、5Sの定着や職場ムードの改善など、他の4つの項目にも副次的効果が期待される。それが可能となる理由は2つ。

 ① 大切な自分の部下を、事故から守ろうと思いやる上司のトップダウン

 ② 安全な職場は、自分たちの手で築こうとする部下のボトムアップ

 

この両輪が噛み合うことで、愛車運動は停滞せずに進む。そしてこれを実現する主役は、共に働くパートナー企業の方々を含めた事業所全員。


≫愛車運動の取組におけるポイント②

愛車運動最大のポイントは、図の左上にあたる、『 FLを自らの手で、新車のように生まれ変わらせる』こと。

 

実際に清掃や再塗装を行い、FLをリフレッシュすると、キズの大半がFL後方に集中し、バック走行が如何に不安全であったかを本人が自覚出来る。

自らの手でFLを新車のように生まれ変わらせることが、2つの意識を芽生えさせる。

 ① FLは会社のモノでなく、手塩にかけた“マイカー”である

 ② 皆で生まれ変わらせたFLを傷つけては、一緒に手がけた仲間に申し訳ない

 

この意識変化が、安全取組を真剣に行わせる極めて大きな動機づけとなる。

 

これまでの5SKYT、事故分析などは、実施場所や時期は『 やれる時に・やれる人が集まり・やれそうな内容』になりがち。しかし、同じFLを大事にしたいという想いが、そのFLを使う場所の5Sや危険個所の抽出、そのFLを使う人への教育など、『守りたいもの・守りたい場所が』明確にする。これによりバラついた取組に一貫性が芽生え、諸々の安全取組が相乗効果を生みやすい状態に変わる。


2 愛車運動 トラック編

  ~ FLの好結果からトラックにも拡大して実施 ~

≫愛車運動の取組におけるポイント③

動機付けはFLの愛車運動と同じ。キャビンや車両のリフレッシュから始まるが、FLと異なる重要なポイントが2つ。

 ① キャビン内の5Sは運転に集中できる環境を生む

 ② お届先情報を、他社ドライバーや配車担当者と積極的に共有する

 

運転中の事故原因には、キャビン内に転がったペットボトルや伝票を拾おうとしたことや、携帯メールの着信に気を取られての不注意運転が少なくない。そのためキャビンの5Sを確実に行い、運転に集中できる環境整備が重要。

 

会社の垣根を越え、他社ドライバーや配車担当と情報共有を図れば、お届先や運行ルート上の注意点を事前にイメージ出来、気持ちにゆとりが持てる。

 

車庫に戻ったら、運行管理者から積極的に声掛けすることが重要。ドライバーが得た情報や、その日の体調を共有することで、ドライバーは一層安心して運転することが出来、愛車運動にも弾みが付く。


≫愛車運動の取組におけるポイント④

愛車運動がパートナー企業の方々にもご理解とご協力をいただき、一定の成果が得られたのは、当社とパートナー企業の双方にメリットがあるため。愛車運動における主なwin-winの関係は、以下の3点。

 

職場が安全になる 

  ⇒ “人財”である従業員が、ケガなくイキイキ働くことが出来る

    人材はどの企業にとっても財産。従業員が健康で楽しく働くことが

    出来るのは、企業活動のベースがより強固になる。

事故件数の削減

  ⇒ お客様満足上昇、破損処理コスト(手間)削減、保険料率低減

     事故削減は単なるCS向上だけではなく、求償金額やその手続が

     削減されるとともに、保険料率の上昇を抑制することが出来る。

安全作業に秀でた“物流プロ”育成

  ⇒ アサヒロジと共に“主体性・自主性”のある人材を育成

     時間やコストを要する割に、即時的効果が確認し辛い人材育成は、

     後回しとなりがち。しかし、愛車運動を進めることは、日常業務を

     通じて安全に拘る物流のプロを育成することに繋がる。

     

相互にこれらの効果を理解し、『愛車運動をやらない手はナイ』と納得して取組むことが重要。