ヒヤリハット分析から見た指導方法7
信号のない交差点
に対する指導方法
道路を走る以上、交差点を避けて通ることはできません。
交差点は、・道路が複雑に交わる場所、・そこを通行する車・単車・自転車・人の流れも複雑
であることを理解する必要があります。
また、交差点には信号機を設置して車両の流れをスムーズにし、交通事故を防ぐ信号交差点と、信号のない交差点がありますが、どちらも通行するドライバーや人の交通ルール無視・エラーにより右のグラフのとおり交通事故も多発しています。
交差点の事故防止指導について今回は信号のない交差点について事故データ及びヒヤリハットデータに基づき、実技講習で感じたことを交えながら説明します。
まず下の動画を見て検討してみてください。
▼一時停止無視単車とトラックの出会い頭事故
なんで止まらないの!!
一時停止無視をした単車とトラックとの出会い頭事故動画です。動画を見て指導方法を考えてください。
▼信号のない交差点での出会い頭事故過失割合
● 同幅員の交差点での事故
● 一方が明らかに広い道路での事故
● 一方に一時停止の規制がある道路での事故
● 一方が優先道路での事故
■動画の単車側の道路を走行してきました。
事故当時、交差道路に通行車両がなく「道路幅の錯覚」に陥ったかも❓
しかし一時停止場所で止まる意識を持って停止していば事故は起きなかったでしょう。
▼単車側走行動画を見たい方は下のボタンをクリックしてください。
~ ヒヤリハットと事故は紙一重 ~
≫ヒヤリハット内容≫ 走行中10m程先の路地から、一時停止を無視したバイクが勢いよく飛び出してきた。
■ 事故類型別件数(h27)警察庁統計データ
全事故の23%が信号のない交差点事故
◆車両相互事故が90%占めている。
車両相互 90% 人対車両 9% 車両単独 1%
◆車両相互のうち出会い頭事故が75%占めている。
出会い頭75% 右折時9% 左折時5% 追突5% その他5%
◆信号のない交差点事故の68%は、出会い頭事故
ヒヤリハットデータの中に59事例があります。
このデータを基に総論(直前時行動と相手方、ヒヤリハット形態と相手方、予想される事故形態と相手方)についての分析結果と、事故形態から見た指導方法について説明します。
◆総論
ヒヤリハットの行動別では直進時が70%を占めています。
▼行動別
直進時が70%を占め、次いで左折15%、右折9%となっている。
▼相手方
自動車56%、自転車27%、歩行者10%、二輪車7%の順で、自動車と自転車で83%を占めている。
注: 徐行中、一時停止後発進は直進・右左折等の行動が内容から読み取れないので別項目で掲載
▼ヒヤリハット形態と相手方・原因別(下表参照)
◆形態別
❶確認不足 17件 (29%)❷とび出し 16件 (27%)❸一時不停止 13件 (22%)
の順に発生し3形態で78%を占め、確認不足の82%が当方、とび出し+一時不停止は相手方が69%の原因となっている。
◆原因別 主たる原因が、
●相手 25件 (42%)●当方 24件 (41%)●双方 10件 (17%)
で、相手別・原因別で見ると
●自動車➡ 当方 27% 相手 52% 双方 21%
●二輪車➡ 当方 0% 相手 50% 双方 50%
●自転車➡ 当方 63% 相手 31% 双方 6%
●歩行者➡ 当方 83% 相手 17% 双方 0%
となっています。
▼予測される事故形態と相手方・原因別(下表及びグラフ参照)
内容から予測される事故形態を見てみますと、
❶ 出会い頭衝突 31件(53%) ❷ 左折時衝突 8件(14%) ❸ 追突 6件(10%)
の順に発生し、3形態で全体の77%を占めています。
●出会い頭衝突の相手方は、
❶自動車19件(61%) ❷自転車7件(23%) ❸二輪車4件(13%)
で、主原因は相手方19件(61%)、双方8件(26%)となっています。
●反面、左折時衝突(8件)追突(6件)のヒヤリハットの主原因は、
当方(ヒヤリハット記述者)が大半の93%を占めています。
信号のない交差点のヒヤリハット内容は抜粋ですが相手別で掲載しました。
内容を確認していただいてから指導方法を検討してみましょう。
信号のない交差点のヒヤリハット内容(相手別)
▼自動車(抜粋)
▼一時不停止が原因
❶荷物の受け取りに行く途中頻繁に通る道の為、危険を知っているので徐行運転をしていたら、左右一時停止にも関わらず、突然自車の前を車が通過した。
❷優先道路を走行中右方向から止まれの標識を無視し、猛スピードで通り過ぎていく車有り。
❸運転中T字路を進もうとしたところ一時停止側の車が停止せずに進入してきた
❹運転中一時停止無視による乗用車(高齢運転者)の飛び出しがありヒヤリ
❺市道の狭い道路をトラックで走行して交差点にさしかかろうとしたとき見通しの悪い十字交差点で、当方が優先道路であり、横の道路は停止義務があるが、当方は一旦停止することなく通過したため衝突しそうになった。
▼相手車両のとび出し
❶大通りを走行中、脇道から出てきた車が、こっちを見て気付いたのにもかかわらず飛び出してきた。
❷トラックを運転中、脇道から乗用車が左右の確認もせずに自車の前に入ってきた。
❸運転中高架下から左折車がノンストップで出てきました。
▼自身の確認不足
❶運転中に交差点で他のトラックと接触しそうになった。
❷運搬中雪の壁が障害となり、側道からの進入車輌と衝突しそうになった。
▼自転車(抜粋)
❶住宅街走行中細い道路から大通りに出るT字路に突き当たったところで、安全確認をしようと少し前に出て覗きこんだら、自転車が突然視界に入り接触しそうになった。
❷自動車で直進走行中、右側一方通行の一時停止車輌の脇から、一時停止無視の自転車が飛び出してきた。
❸車両走行中、前方に街灯のない脇道があり、いやな予感がしたので、ブレーキを踏み、徐行していたところ、無点灯自転車が横切ったのでブレーキを踏んだ。危うく大事故になるところであった。
▼二輪車(抜粋)
❶自動車運転中「信号」も「止まれ!」の停止線もない交差点を通行中、安全確認をして、最徐行で交差点に進入したが、バイクが急に飛び出して来たので当たりそうになった。
❷運転中に脇道から原付が飛び出してきて、接触しそうになった。
❸走行中10m程先の路地から、一時停止を無視したバイクが勢いよく飛び出してきた。
▼歩行者(抜粋)
信号のない交差点を通過しようとした時小学生が、左右の確認もせずに手を挙げながら横断してきた。接触等の心配はなかったが、ヒヤリとした。
改善内容
①今後も、狭い道では徐行運転を心掛ける。
②優先道路走行中でも、交差点、その他危険箇所では十分スピードを落として走行する。
③優先道路だからと油断はしない。見通しの悪い時はいつもより注意を払う。
④常に危険予測にて運行し、(かもしれない運転)での安全運転を行う。
⑤日頃から法令を順守せず走行する車があることを念頭に置いて走行しているが交差点付近では徐行するよう心掛けて運転するようにした。
①お互い常に細心の注意を払い、ある程度相手の行動を予測しながら運転をする。
②少しでも危険を感じたら、ブレーキを踏みいつでも停まれるよう準備しておく。
③かもしれない運転を行い、いつでも止まれる速度で走行する、カーブミラーが有るので活用し、安全確認をしっかり行う。※以前に、この現場で起きた事故(車対自転車)を見たので、細心の注意をしていた。
①交差点では安全確認を十分に行い、譲り合いの心を持って運転を行う。
②危険だと思われる所は常に徐行運転し、何時でも止まれるようにする。
①死角になる箇所では、目視(視覚)だけでなく、窓を開けて耳(聴覚)で聞くようにし、危険を回避する。
②接触は回避できたが、今後も「かもしれない運転」を心がける。
③無灯の脇道のある交差点では、十分周囲を確認し注意も払い、手前で徐行運転し、いつでも停止できる状態にしておく
①見通しの悪い交差点では、「止まる・見る」今一度「左右を見る」、「窓を開けて音を聞く」
②脇道があるところは、原付や車が出てくるかもしれないと思い、速度をゆるめて確認しながら走行する。
③常に状況の確認を行い、いつでもブレーキを踏める状態を心掛ける。
交差点付近は、歩行者や自転車がいつ横断してきても安全な速度で走行する。
信号のない交差点のヒヤリハット59件中、予測される事故形態を見ますと
出会い頭、右左折時、発進時、直進時(車・自転車・人)、右直時
だけで全体の87%を占めています。
内容は、写真の✖地点での相手方の行動によるヒヤリハット内容です。
信号のない交差点の事故防止指導という観点から見た場合、道路や車・人の流れが複雑に交わり、交通整理も行われていない交差点に進入するわけですから✖地点に至るまでのⒶ地点からそれなりの対応を考えて進入すべきで、Ⓐ地点からの指導が必要です。
▼交差点通行時の考え方
ドライバーは、Ⓐ 地点で✖地点が交差点であることの認識があります。(写真はT字路ですが+字路であっても同じです。)
現状に目を向けますと、交差点に進入するドライバーの行動は危険個所を通行するという考え方を持って運転しているのか?疑問符が付きます。
下の動画を見て考えてみてください。
動画を見てお分かりなようにドライバーは確実な安全確認等を含む運転行動をしているでしょうか?
この信号機のない交差点の通行方法に関しては道路交通法で定められておりますので、下記の◆交差点等の通行に関する関係法令等を参照してください。
事故を起こさないで通行するためには安全確認は不可欠ですが、この安全確認の意味をどう説明しますか?…「交通事故を起こさないための担保が安全確認」なのです。ですから安全確認をしたが交通事故にとなった場合は、確実な安全確認をしたとは言い難いのです。
この安全確認と一時不停止について支援チームが分析したデータがあります。
「違反者講習受講者の運転観察結果データ(n=235)」を見ると、
≫ 停まることができない人(n=53)は、安全確認ができていない。
≫ 安全確認できない人(n=66)の半数が停まることができていない。
のです。このことからもわかりますようにドライバーが停まって確認するという意識を持たないと、この種の事故は減少しないでしょう。これがキーポイントです。
▼参考動画
YouTubeに出会い頭事故の投稿動画ありますので参考にしてください。
◉ 社員を指導する場合、「安全確認!安全確認!」だけではダメです。
●「安全確認」を「停まる。確認する。」という行動を促す具体的意識づけが必要
●車や建物の死角を認識・理解させておく。
安全確認はドライバー自身の目で確認することですが、車を運転して信号のない交差点に進入する際全てが見えているのではなく、建物等の死角や車のピラー等の死角があることを体験させておく。
●「自分が運転する車」と「車は急に止まらない」ことを認識・体験させておく。
ことが必要で、実技体験指導をする場合は事前に下の「反応時間測定&停止距離計算」ツールを使って意識付けをしたのち実施すれば実技が生きてきます。
【指導用ツール】
原点回帰講習用「反応時間測定&停止距離計算」ツールは、「車は急に止まらない」ことを意識してもらうための指導・教養ツールです。
特徴として、反応時間測定と停止距離計算が一画面で測定と計算ができます。(30.4公開)
≫右の動画のような急制動体験も必要です。
停車からの発進後、音を聞いて急ブレーキをかけます。
動画の受講者は、時速4kmで急ブレーキかけた停止距離は1.15mでした。
受講者の反応時間の平均は、0.6秒(指操作)です。 停止距離1m前後の大半が空走距離(反応時間)であることを体験させ車は急に止まらないことを理解させる必要があります。
●「カーブミラーの活用・盲点」や「道路幅員の錯覚」を認識・体験も必要です。
これらの詳しい内容は、「管理者支援ページ」の下記項目を参照してください。
下線部分はリンクしておりますので各項目をクリックしてください。
⑧-2 バック事故防止講習の必要性(違反者講習実技講習観察結果から見た「一時停止」 と 「安全確認」)
【実技 出会い頭事故防止指導】
③ 見通しが悪い交差点①「道路幅の錯覚」による出会い頭事故と指導方法
③-2 指定一時停止場所の指導方法(KYT動画活用した指導)
■交差点に進入するまでの運転行動を考える |
▼T字路一時停止側
ポイント❶
Ⓐ地点で、減速をしながら✖付近・周辺の状況を確認しておく。
・通行量の有無 ・標識の有無 ・死角となる障害物の有無
ポイント❷
一時停止場所で必ず停止と左右の安全確認
ポイント❸
見せる停止と安全確認 Ⓑ地点
間違っても自分の目で確認しようとⒸ地点まで進入しない。
▼T字路 直進側
ポイント❶
交差点を認めたら減速をしながら✖付近・周辺の状況を確認しておく。
ヒヤリハット内容や動画にあるように、一時停止無視や飛び出しが多いことを念頭に行動する。
・通行量の有無 ・標識・横断歩道の有無 ・死角となる障害物の有無
ポイント❷
・減速したうえ飛び出しにも対応できるよう構え(ブレーキに)ておく。Ⓒ車にも対応できるように
◉ 車、二輪車、自転車、歩行者など相手がある交通事故は、どちらかのドライバーや歩行者が回避行動をとれば、防げる交通事故も多い。ことを指導する。
そのためにはどうするか?
ヒヤリハット・改善内容及び動画から見て、自分の目で見る安全確認は絶対に必要ですが、その前に
▼「見せる」意識をもって行動する
(二段階停止)
ことを指導してください。
すなわち相手に自車を認識してもらえる行動をすること。車道に出ないⒷ地点(また歩道に出ない地点)
交差点を通行するドライバーや人が回避また構える行動をとれるような行動が必要です。
※自分の目で見る「安全確認!安全確認!」の意識が先行しすぎると、1~2m前後道路に出てしまいます。側方から出てきた車がⒸ地点であれば直進車は急ブレーキをかけないと衝突するでしょう。
乗用車の場合、2m前後
トラック等キャブオバー車の場合、1m前後
道路に出てしまうのです。
そのことは、上で掲載しました細街路交差点及び一時停止場所の通行動画を見ていただければ理解できると思います。
また、見せる行動は、施設からの出やサンキュー事故とも連動していることを念頭に置いて指導してください。
▼構内等で見せる指導を!
立場を変えて見ること。実施すること。
で意識も変わります。
信号のない交差点で直進また右左折する場合、通過車両が多く待たされた時に起こるのが「誤った意識の集中」「一点集中」が原因の事故です。
例えば、下の動画を見ていただければわかると思いますが、左折進入する際、ドライバーは右から来る車両に意識が集中し、通過車両が途切れときにすぐ行動に移します。このとき左や前方の安全確認を怠ったことで事故に繋がるのです。
▼指導方法
●仕切り直して、前、左右を目視とミラーを使って安全確認を行う。
≫日頃から習慣づける指導を!
動画の場合、アンダーミラーの安全確認を怠ったことでヒヤリハットになっています。
この行動は、駐車・停車時からの発進時の行動を見れば分かることですので、会社からの出発時の安全確認行動を見て指導してください。
■実技指導方法
「原点回帰講習」時、右の動画の死角・車両感覚の体験させてください。
方法は簡単で、左ミラーを畳んで障害物に最接近させてみてください。
自身の車両感覚は曖昧だということと、アンダーミラーの必要性が理解できると思います。
▼ 参考動画 (ドライブレコダー撮影映像) |
○JAF MATE社「ドラドラ動画」に安全確認関連動画があります。画像をクリックしてください。
■受講者の感想
≫車輌から対象物までの距離及びミラーと目視予測と実測の違いを再認識した。
≫感覚に頼っていたことが多かった。
≫死角や自分がどれだけ運転席から見えていないかなどの範囲を改めて知ることができた。
≫思いのほか死角の恐ろしさを実感した。
≫自己の感覚は実際のものと違うことが明確にわかり、知識の重要性を再認識した。
信号のない交差点での予測される事故形態の中に追突が10%を占めています。
下にあります「前車急減速・停止によるヒヤリハット内容」を見てみますと、
❶ 前車の右左折のための減速・停止行動に対してヒヤリハットになっている。
❷ 前車との車間距離が取れていない。
❸ 前車の合図が遅い。出さない等もありますが、直進するものとの思い込みで追従しているふしがある。
下の動画を見て考えてみてください。(動画は、先に掲載しています「信号のない交差点の通行」のうち二台以上連続通行した部分を抜粋しています。)
■前車の急減速・停止のヒヤリハット内容 |
前車急減速・停止によるヒヤリハット内容
●追い越し車線を走行中前走車が、右折をしようと急にブレーキを踏んだ為、追突しそうになった。(左側へ車線変更し難を逃れた。)
●トラック運転中、前を走行中の乗用車が、ウインカーも出さずに右折しようとブレーキを掛けた為、自車も急ブレーキを掛け停止した。
●運転中、前を走行中の乗用車が、ブレーキを掛けウインカーも出さずに中央分離帯を右折しようとした為、自車も慌ててブレーキを踏んだ。
●自社へ戻る為走行中、右折・Uターン禁止の場所で、前車が突然右折しようとした為、急ブレーキを踏み停車した。
●運転中前車がいきなりブレーキをかけ左へ曲がった。
●運転中前を走っていた軽自動車がいきなりブレーキかけ、畑道に曲がったので、急ブレーキをかけた。高齢者の運転する車だったので、車間距離はとっていたが、指示灯をつけずにいきなりブレーキだったので、ヒヤリとした。
改善すべき事項
◆前後左右の動きは常に注意し、車間距離の確保・スピードの出し過ぎ・脇見運転には特に注意する。
◆周囲の状態や、その人達が何を考えているのかは分からないので、常に気を配った運転を心掛ける。また、車間距離をとるなど自己防衛をしながら走行する。
◆車間距離を十分にとり、周囲の動きには注意を払う。
◆車間距離を十分に取り、ゆとりある運転を心掛ける。
◆今以上に車間距離を取り、エコードライブに努める。
◆高齢者の運転は、予期しない行動にでるので、車間距離はいつも以上にとるようにする。
■追突防止の指導方法 |
追突防止に対しての指導方法は、信号なし交差点での特徴的な指導方法についての説明とします。
詳しい内容は下記のヒヤリハット
㉑-2 ヒヤリハット分析から見た指導方法2( 「前車の急制動・停車」(貨物車の追突防止実技指導))
㉑-6-1 ヒヤリハット分析から見た指導方法6 (信号交差点に対する指導方法 その1(総論、信号発進、直進))
と、管理者支援ページ内【実技 追突防止指導】
⑬ 追突しないための体験型指導方法①(基礎編 ツール・アプリを使った空走時間体験等)
⑭ 追突しないための体験型指導方法②(実技編 停止距離体験、停車時相手に威圧を与えない車間距離等)
⑮ 追突しないための体験型指導方法③(実践編 事故報告・発進追突事例からみた指導方法、同乗指導方法、ドライブレコダー装着車の指導方法)
に指導方法が掲載してありますので参考にしてください。
▼ 追突防止の考え方と指導 |
●車間距離を広く取り視野を確保する。
●道路・車・人が複雑に交わる場所であること。
●上記場所を前車も進入するのだから急ブレーキをかけることを想定して追従する。
●前車に追従すれば確認しなくても大丈夫という考えを払拭する。
等の考えを持つ必要があり、先に説明しました「車は急に止まらない。」ことを体験する必要があります。
信号のない交差点の通行は、危険個所に進入するわけですから前車も減速や徐行また車や人の通行により停止する場合があるということです。しかしその状態で追突するということは、ドライバーが低速だからすぐに止まれるとう意識で運転しているのです。
「車は急に止まらない。」という認識があれば車間距離も広めにとることでしょう。
▼道路交通法 第三十六条(交差点における他の車両等との関係等)
4 車両等は、交差点に入ろうとし、及び交差点内を通行するときは、当該交差点の状況に応じ、交差道路を通行する車両等、反対方向から進行してきて右折する車両等及び当該交差点又はその直近で道路を横断する歩行者に特に注意し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない。
▼道路交通法第四十二条(徐行すべき場所~ 信号のない交差点(見通しのきかなか交差点))
車両等は、道路標識等により徐行すべきことが指定されている道路の部分を通行する場合及び次に掲げるその他の場合においては、徐行しなければならない。
一 左右の見とおしがきかない交差点に入ろうとし、又は交差点内で左右の見とおしがきかない部分を通行しようとするとき(当該交差点において交通整理が行なわれている場合及び優先道路を通行している場合を除く。)。
~◆徐行とは、自動車がすぐに停止できるような速度で進行すること。
ブレーキを操作してからおおむね1メートル以内で止まれるような速度のことをいい、時速10km以下だとされています。
(指定場所における一時停止)■根拠法令-道路交通法
第四十三条 車両等は、交通整理が行なわれていない交差点又はその手前の直近において、道路標識等により一時停止すべきことが指定されているときは、道路標識等による停止線の直前(道路標識等による停止線が設けられていない場合にあつては、交差点の直前)で一時停止しなければならない。
この場合において、当該車両等は、第三十六条第二項の規定に該当する場合のほか、交差道路を通行する車両等の進行妨害をしてはならない。
■規制目的 (警察庁 規制基準(H23.2.4)より)
交通整理が行われていない交差点又はその手前の直近において、車両等が一時停止すべき場所を指定することにより、交差点通行の優先順位を明確にし、交通事故の未然防止、危険防止の措置を徹底させ、交差点及びその付近における交通の安全と円滑を図る。
◆対象道路
原則として次のいずれかに該当する交差点又はその手前の直近
1 屈折、勾配、道路工作物等により左右の見通しがきかない交差点
2 多岐交差点等その形状が複雑な交差点
3 出会い頭等の交通事故が発生するおそれのある交差点
4 その他交差点の優先関係を明確にする必要がある交差点
「一時停止標識がある場所では、必ず一時停止」が原則 ~ まず止まる ~
これを無視するのは、一時停止の設置目的や基準を理解していないからではないでしょうか?
一時停止の 根拠法令 と 一時停止標識の設置基準 を上に掲載していますので、設置目的等を質問してから説明してください。
■信号のない交差点での交通事故の基本的過失割合 |
一方に一時停止の規制がある道路での事故
(基本過失割合、ソニー損保)
▼一時停止場所で交通事故を起こした場合、保険会社はどのような基準で過失割合を算出するか?検討させたうえ説明するのも指導方法の一つです。
一時停止の規制がある場合、車両等は、停止線の直前で一時停止しなければならないうえに、交差する道路を走行する車両等の進行を妨げてはいけない(道路交通法43条)と定められています。
そのため、一時停止の規制のあるBに80%の過失があります。
一方、Aにも交差道路を通行する車両に対する注意義務(道路交通法42条1項)があるため20%の過失があります。