Q 運転日誌の保存期間を知りたい。
a 安全運転管理者が行う業務の一つである「運転日誌」の保存期間についての質問ですが、
●運転日誌の保存期間は法律で定められていません。
しかし、警察では運行管理者と同一業務であることから運送事業輸送安全規則に準じて
●1年間の保存を指導しています。
また、労働基準法109条 (記録の保存)では
●労働関係にかかる重要な書類は3年間保存と定められています。
このことから、どこに基準をおいて保存期間を定めるか?社内また弁護士に相談して決めてください。
なお、参考に警察からの回答内容および道路交通法施行規則、貨物自動車運送事業輸送安全規則、労働基準法の抜粋条文等を掲載しておりますので参考にしてください。
関連項目
≫ Excelで管理できる「運転者管理台帳」「車両管理台帳」 ≫ 交通事故対策に悩んだら「原点回帰」の体験型講習を!(交通事故形態に対応する事故原因と指導の考え方) |
安全運転管理者
【運転日誌の備付、記録】
●運転日誌の保存期間
▶︎ 運転日誌は法的に保存期間はない。
▶︎法律には保存期間はありませんが、安全運転管理者も運行管理者も同種管理なので(運送事業輸送安全規則)規定に準じて1年保存を指導しています。
26.12.12 15時 電話回答大阪府警 交通総務課 安全指導係
●必要記載項目
「運転日誌」を、全ての社用車に備え付け、記録させる事項
(1) 使用日時
(2) 使用者及び所属部署
(3) 行き先
(4) 使用の目的
(5) 走行前の距離数
(6) 走行後の距離数
(7) 備考欄:車両の異常や給油
を記録させる。
●道路交通法施行規則(安全運転管理者の業務)
第九条の十
法第七十四条の三第二項 の内閣府令で定める業務は、次に掲げるとおりとする。
六 (運転日誌の備付、記録)
運転者名、運転の開始及び終了の日時、運転した距離その他自動車の運転の状況を把握するため必要な事項を記録する日誌を備え付け、運転を終了した運転者に記録させること。
運行管理者
【乗務記録(運転日報)】
●運転日報保存期間
▶ 過去1年間分
●必要項目
≫ 運転者名、運転者の乗務に係る事業用自動車の自動車登録番号
≫ 乗務の開始と終了の地点、作成年月日、主な経過地点や乗務した距離
≫ 運転を交替した場合はその地点と日時、休憩または睡眠をした場合はその地点と日時
≫ 車両総重量8t以上最大積載量5t以上の普通自動車に乗務した場合は貨物の積載状況
≫ 道路交通法に規定する交通事故や自動車事故報告規則に規定する事故や著しい運行の遅延等
その他異常な状態が発生した場合にはその概要と原因
≫ 運行指示書による指示があった場合はその内容
●法律・規則・条項
事業法 :17条3項
安全規則:8条
貨物自動車運送事業輸送安全規則
貨物自動車運送事業輸送安全規則での乗務記録等に関する書類の保存期間は、
書 類 |
保存期間 |
規 則 |
運転者台帳 |
過去3年間分 |
2条、7条 |
点呼記録簿 |
1年間 |
7条 |
運行指示書 |
運行の終了の 日から1年間 |
9条の3 |
乗務記録(日報) |
1年間 |
8条 |
運行記録計 |
1年間 |
9条 |
日常点検表 |
過去1年間分 |
13条、14条 |
となっています。
労働基準法
労働基準法は、労働者の権利関係や労働紛争を解決するため、その証拠となる労働関係にかかる重要な書類を、3年間保存と定められています。
<参考>
労働基準法第109条(記録の保存)
使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を3年間保存しなければならない。
▼記録を保存すべき期間の計算の起算日
(労働基準法施行規則第56条)
❶労働者名簿 労働者の死亡、退職又は解雇の日
❷賃金台帳 最後の記入をした日
❸雇入れ又は退職に関する書類 労働者の退職又は死亡の日
❹災害補償に関する書類 災害補償を終った日
❺賃金その他労働関係に関する重要な書類 その完結の日
≪参考≫
❺の「その他労働関係に関する重要な書類」とは、
出勤簿、タイムカード、シフト表、残業指示書、残業報告書など
▼自動車運送事業では、
上記の書類のほか、「その他労働関係に関する重要な書類」として、労働者の勤務状況を記録した
乗務割表(勤務割表)、点呼記録簿、運行指示書、乗務記録(乗務日報)、運行記録計
などが考えられます。