出会い頭事故と道路幅の錯覚
出会い頭事故と道路幅の錯覚
出会い頭事故を起こす要因に
①標識等の見落とし、無視 ②認知ミス(誤認識) ③思い込み
があります。
特に、②認知ミス(誤認識) ③思い込み に繋がるのが「道路幅の錯覚」です。
「道路幅の錯覚」は、自分の進む道路は広く見え、交差道路は狭く見える現象で、市街地や細街路等多くの交差点で見かけます。
下の動画を見てください。
▼一時停止無視単車とトラックの出会い頭事故
なんで止まらないの!!
一時停止無視をした単車とトラックとの出会い頭事故動画です。動画を見て指導方法を考えてください。
▼左の動画の単車側道路を走行
推測ですが道路幅員の錯覚で止まらなくてもいいという判断をしたのかもしれません・・・停止線で止まっていれば交差道路が優先道路であることも分かるのですが....
関連項目 ▼ 交通事故対策に悩んだら「原点回帰」の体験型講習を!(交通事故形態に対応する事故原因と指導の考え方) ② 交通事故発生報告書の記載例 (安全運転指導の一つとして記載させましょう。) ③-2 指定一時停止場所の指導方法(KYT動画活用した指導) ④ 見通しが悪い交差点②「カーブミラー」の活用と死角、逆転現象の指導方法 ⑤ 見通しが悪い交差点③「二段階停止」の指導方法(KYT用動画あり) |
▼住宅地の道路幅員の錯覚
右写真は、
≫道路幅員5mの交差点
≫一時停止の規制なし
≫カーブミラーが北東角と南西角に設置
Q :交差点に立ってAB方向を見ると、この交差点に進入する際は、一時停止や安全確認が必要なことが分ります。
では、AまたはB方向から交差点を見ると、どのように見えるでしょうか?
Aから見ると、
≫右角にカーブミラーが設置
≫道路中央に交差点マーク
がありますので交差点と認識できます。
▼しかし、左右の道路は狭く感じます。
Bから見ると、
≫交差点左右にカーブミラーが設置
≫道路中央に交差点マーク
がありますので交差点と認識できます。
▼しかし、Aと同じく左右の道路は狭く感じます。
このようにAまたはBから直進するドライバーは、交差点マークやカーブミラーがありますので、
交差点であることが分りますが、
≫ 自分の進む道は広い道、交差する道路は路地で狭い道
≫ 自分の方が優先権があるので、停止や徐行をする必要はない。
……と思い込んでしまうおそれがあるのです。
この思い込みが、
≫減速や停止しない。 ≫カーブミラーを見ない。 ≫安全確認をしない。 ≫構えない。
などの不安全行動に繋がって出会い頭事故になるケースがあります。
管理者としての指導方法
▼現場体験をしてください。
座学で説明するより、会社近辺で写真のような場所を探して現場体験するのが一番です。
~ 座学ではイメージがわきません。 ~ (車を使用しなくても体感できます。)
→ 現場体験 → 下記防止方法を社員に考えさせる。→それを検討会等を通じて意識付けをする。
のが一番です。
▼現場での指導方法
上の写真の場合、
①B地点で、「前方交差点の左右道路は広いか?狭いか?」を質問してください。
②次に交差点で、左右とB方向の道路を見させて「道路幅の錯覚」を説明
③説明が終われば、どのような運転行動をとるか質問してください。
たぶん回答は、
・速度を落とす。・徐行、一時停止する。・カーブミラーを使って安全確認する。・安全確認
等の答えが返ってくると思います。➡ ここで終わらずに、再度B地点に戻り
④「道路幅の錯覚」に陥りやすい交差点、見通しの悪い交差点と判断するためには、
何を基準にするか質問してください。
➡右の写真の場合であれば、
交差点マークとカーブミラーがあります。
また、下記写真のような注意喚起の看板が
設置されているところもあります。
≫前方の交差点に
交差点マークやカーブミラー等
を見たら上記③の行動する必要があると説明
してください。
交差点マーク
カーブミラー
注意喚起 看板
▼「道路幅の錯覚」講習に併せて行うと効果のあがる現場指導
(説明は新たな項目で掲載します。)
≫カーブミラーの錯覚(左右逆転)とカーブミラーの死角(「カーブミラー」の項目を参照)
を追加して現場体験で行えば、「停まる」「確認する」ことの必要性が理解でさせることができます。
▼交通事故の過失割合からの指導
信号のない交差点での交通事故を起こした場合、保険会社はどのような基準で過失割合を算出するか?検討させたうえ説明するのも指導方法の一つです。
右の動画は、
● 同幅員の交差点での事故
● 一方が明らかに広い道路での事故
● 一方に一時停止の規制がある道路での事故
● 一方が優先道路での事故
の説明動画です。